タイの首都バンコクには、多くの寺院がありますが、その中でも「ワット・サケット」は高台からの絶景と静かな雰囲気が魅力の寺院です。
ゴールデンマウントとも呼ばれるこの場所は、市内の喧騒から少し離れ、心を落ち着かせるひとときを楽しめる絶好のスポットです。
ワット・サケット概要
ワット・サケットは、バンコクの旧市街に位置する歴史ある寺院です。黄金に輝く仏塔が高台の上にそびえ、市内を一望できる展望スポットとしても人気があります。
この寺院は、朝から夕方まで訪れることができ、特に日の出や夕暮れ時にはその眺望が一層素晴らしくなります。
ワット・サケットの歴史
ワット・サケットの歴史は16世紀に遡り、アユタヤ王朝時代に建設されたとされています。その後、ラーマ1世によって再建され、さらにラーマ3世の時代には仏塔の建設が試みられましたが、地盤の問題で一時中断されました。
しかし、19世紀後半にラーマ4世の指導の下、現在のゴールデンマウントが完成しました。この仏塔には仏陀の遺骨が納められており、多くの参拝者が訪れる場所としても知られています。
ワット・サケットの魅力
ワット・サケットの最大の魅力は、その高台から見渡せるバンコク市内の景色です。約344段の階段を登ると、黄金に輝く仏塔と共に広がる壮大な景色が訪れる人々を迎えます。特に夕暮れ時は、オレンジ色の空と市内の風景が幻想的に調和し、息をのむ美しさです。
また、階段沿いには緑豊かな植生や仏教のモチーフが配され、散策するだけで心が癒されます。毎年11月に行われる「ロイクラトン祭り」の期間中は、特別なイルミネーションも楽しめます。バンコク観光の際には、ぜひワット・サケットに足を運び、その魅力を直接感じてみてください。
ワット・サケットへの行き方
バンコク中心部からワット・サケットへのアクセス方法は複数あり、それぞれにメリットがあります。タクシー、船、バスなどを利用して、時間や予算に応じて選ぶことができます。
タクシーで行く
タクシーは、ワット・サケットへの最も便利で快適な移動手段です。バンコク中心部から約20〜30分程度で到着し、料金は100〜150バーツほどです(渋滞状況により変動)。エアコン付きで快適に移動できるため、特に暑い日や荷物が多い場合にはおすすめです。
タクシーを利用する際は、運転手にワット・サケットまたはゴールデンマウントと行き先を伝えれば、スムーズに案内してくれます。タクシーはぼったくられることが多いため、メーターを使用していることを確認するか、乗車前に料金を交渉するのがポイントです。
船で行く
バンコクの伝統的な移動手段を楽しみたい方には、運河を利用する方法がおすすめです。サーンセープ運河のボートに乗り、パンファー・リラット船着場で下船すると、ワット・サケットまで徒歩約10分です。船の運賃は10〜20バーツ程度と非常にリーズナブルで、渋滞を避けてスムーズに移動できるのがメリットです。
また、運河から眺めるバンコクのローカルな風景も旅の思い出になります。ただし、船着場周辺は少し歩く必要があるため、歩きやすい靴を用意しておくとよいでしょう。
バスで行く
バスは最も経済的な方法で、ローカルな雰囲気を体験したい人にぴったりです。バンコク中心部からは、8番、15番、47番、49番などのバスがワット・サケットの近くを通ります。
料金は10〜20バーツ程度と非常に安価で、移動中にバンコクの街並みを楽しめるのが魅力です。ただし、バス停の場所やルートを事前に確認することをおすすめします。バンコクのバスは停車時間が短いため、乗車時には素早く行動することがポイントです。
ワット・サケットの拝観料
ワット・サケットの拝観料は50バーツと非常に手頃で、気軽に訪れることができます。この料金で、歴史ある寺院の雰囲気を堪能し、頂上からの素晴らしい景色を楽しむことができます。寺院の拝観時間は毎日午前9時から午後7時までですが、特に朝や夕方の時間帯は静けさと美しい光景を味わえるおすすめの時間です。
拝観料は、寺院の維持や管理に充てられており、訪問者はその一部となることで文化遺産の保護に貢献できます。また、拝観料とはべつに、現地で小額の寄付をすることも可能で、仏教文化に敬意を示す意味でもおすすめです。
ワット・サケットの楽しみ方
ワット・サケットでは、黄金の丘の階段を登る体験や、頂上の仏塔内部の静けさ、さらに頂上からのパノラマビューを楽しむことができます。
これらの体験を通じて、バンコクの歴史と文化を深く感じられるでしょう。それぞれの楽しみ方を詳しくご紹介します。
黄金の丘の頂上へ
黄金の丘への道のりは、344段の階段をゆっくりと登ることから始まります。階段は緑に囲まれ、途中には風鈴が吊り下げられており、その柔らかな音が心を落ち着けてくれます。仏教の装飾が施された小さな像や祈りの場が点在しており、歴史や文化を感じながら登ることができます。
階段の傾斜は急ではないため、体力に自信がない方でも安心です。途中の休憩ポイントからも市内を見渡せる景色が広がり、登る過程自体が特別な体験となるでしょう。
頂上の内部
頂上にたどり着くと、黄金に輝く仏塔の内部に入ることができます。仏塔内部には、仏陀の遺骨が安置されており、訪れる人々が祈りを捧げる神聖な空間となっています。装飾はシンプルでありながら、荘厳な雰囲気を醸し出しており、訪問者に深い感動を与えます。
内部には仏教の経典や小さな仏像も展示されており、タイ仏教の世界観に触れる貴重な機会です。この静寂な空間での時間は、心を落ち着け、自分と向き合うきっかけにもなるでしょう。
黄金の丘頂上からの景色
ワット・サケットの最大の魅力とも言えるのが、頂上からの景色です。高台に位置するため、バンコク市内のパノラマビューを一望できます。近隣の寺院や歴史的な街並み、さらには現代的な高層ビルまで、バンコクの多彩な表情を楽しむことができます。
特に夕暮れ時には、空がオレンジ色に染まり、日没後の街のライトアップとのコントラストが幻想的な風景を作り出します。ここから眺める景色は、訪れた人々の心に深く刻まれる特別な体験となるでしょう。
ワット・サケットのお祭り
ワット・サケットでは、毎年11月に「ロイクラトン祭り」の一環として特別なお祭りが行われます。このお祭りは、仏教徒にとって重要な行事で、タイ全土から参拝者が集まります。期間中、黄金の丘の仏塔は鮮やかな赤い布で包まれ、夜にはイルミネーションやキャンドルの灯りが美しく輝きます。
参拝者は仏塔を囲むように行列を作り、キャンドルを持って祈りを捧げます。この儀式は「ワンプラ(仏日の巡礼)」と呼ばれ、神聖な雰囲気が漂います。また、丘の麓には屋台が立ち並び、伝統的なタイ料理やスイーツ、工芸品が販売され、訪れる人々を楽しませます。仏教儀式と祭りの華やかさが融合したこのイベントは、タイ文化を深く感じられる特別な体験ができます。
ワット・サケットの注意点
ワット・サケットを訪れる際には、いくつかの注意点があります。まず、寺院は神聖な場所であるため、露出の多い服装は控え、肩や膝を覆う服装を選びましょう。また、黄金の丘への階段は長く、特に暑い時期には登る際に汗をかきやすいため、水分補給を忘れないようにしましょう。
階段周辺には小さな滑りやすい場所もあるため、歩きやすい靴を履くことをおすすめします。さらに、昼間は観光客が多く混雑することがあるため、比較的空いている朝早い時間帯に訪れると、より快適に観光を楽しむことができます。
ワット・サケットの基本情報
ワット・サケットはバンコク旧市街に位置し、市内中心部からアクセスが便利な観光スポットです。拝観時間は毎日午前9時から午後7時までで、拝観料は50バーツです。住所はパンファー通り周辺に位置しており、タクシーやボート、バスなど複数の交通手段を利用して訪れることができます。
特にアクセスが便利なパンファー・リラット船着場や、近隣のバス停から徒歩数分で到着できます。周辺にはローカルな食堂やカフェも点在しており、観光後の休憩にもおすすめです。
・施設名: ワット・サケット(Wat Saket / Golden Mount Temple)
・住所: 344 ถนนจักรพรรดิพงษ์ แขวงบ้านบาตร เขตป้อมปราบศัตรูพ่าย
กรุงเทพมหานคร 10100
(英語表記:344 Chakkraphatdi Phong Rd, Ban Bat, Pom Prap Sattru Phai, Bangkok 10100, Thailand)
・営業時間: 7:30〜19:00(年中無休)
・料金: 入場料 50バーツ
・公式HP: http://www.watsaket.com/
・Googleマップ
まとめ
ワット・サケットは、歴史ある寺院と美しい景色、そしてタイ仏教の文化に触れられる魅力的なスポットです。黄金の丘を登る過程や頂上からの景色、さらに内部の静けさなど、訪れる人々にさまざまな感動を与えます。
特にお祭りの時期には幻想的な光景が楽しめ、文化体験としても特別な価値があります。アクセスも良く、拝観料も手頃なため、バンコクを訪れる際にはぜひ足を運びたい観光地です。事前に注意点を確認し、快適で思い出深いひとときをお楽しみください。