バンコク国立博物館は、タイの歴史と文化を深く知ることができる貴重なスポットです。王宮近くに位置し、かつての王族の邸宅を利用した館内には、タイの古代文明から現代に至るまでの美術品や工芸品が展示されています。
仏像、王室の調度品、歴史的な文献など、多彩なコレクションが揃い、一歩足を踏み入れるとタイの壮大な歴史が感じられます。観光客だけでなく、在住者にも訪れる価値のある場所です。
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バンコク国立博物館の概要

バンコク国立博物館は、1874年にラーマ5世によって設立されました。もともとは王族の私的なコレクションを展示する場でしたが、現在ではタイ最大の博物館として一般公開され、タイの歴史や芸術、宗教に関する貴重な品々が収められています。
特に注目すべきは、スコータイ時代やアユタヤ時代の仏像、精巧な装飾が施された王室の馬車、そして歴代の王の遺品です。また、館内は3つの主要エリアに分かれており、それぞれ「タイ美術と考古学」「歴史展示」「装飾芸術と民族誌」のテーマで構成されています。歴史好きなら何時間でも楽しめる場所です。
バンコク国立博物館の魅力3つ
バンコク国立博物館は、タイの歴史と文化を深く学べる東南アジア最大級の博物館です。タイ王室ゆかりの建物に展示された美術品や考古学的遺物、民族資料は圧巻で、訪れる人々をタイの豊かな文化遺産の世界へと誘います。ここでは、特に見逃せない3つの魅力を紹介します。
タイ美術と考古学
バンコク国立博物館の最大の見どころの一つは、古代から現代に至るまでのタイ美術と考古学の展示です。展示エリアにはドヴァーラヴァティー、スコータイ、アユタヤ、ラッタナーコーシンなどの、各時代を代表する彫刻や仏像、陶器、武器がずらりと並んでいます。特にスコータイ時代の仏像は、柔らかくしなやかな曲線美が特徴で、当時の仏教美術の影響力を感じられる貴重な作品です。
また、アユタヤ時代の黄金細工や王室関連の装飾品も展示されており、その精巧さと豪華さに目を奪われます。考古学コーナーでは、古代の石器や青銅器も紹介され、タイが長い歴史の中で様々な文化を吸収してきたことがわかります。美術や歴史に興味がある方は、ここでじっくりと時間をかけて見学するのがおすすめです。
歴史展示
歴史展示セクションでは、タイの王朝ごとの変遷を時系列で学べる構成になっており、王室の歴史や国の発展に関する貴重な資料が豊富に揃っています。特に、アユタヤ王朝時代の戦争や貿易に関する展示は興味深く、当時の東南アジアでのタイの影響力を知ることができます。
展示されている武具や船の模型からは、当時の人々の暮らしぶりや戦略が垣間見えます。また、近代タイの展示では、ラマ5世の近代化政策や西洋との交流に関する写真や書簡が紹介されており、現代タイへの変遷を理解するのに役立ちます。展示解説は英語や日本語でも用意されているため、外国人観光客でも分かりやすく学べるのが魅力です。タイの歴史を深く知ることで、他の観光地巡りがより楽しくなるでしょう。
装飾芸術と民族誌
装飾芸術と民族誌のセクションでは、タイ各地の伝統工芸品や民族衣装、生活用品が豊富に展示されており、文化の多様性を体感できます。特に目を引くのは、繊細な細工が施された木彫りの家具や、豪華な金細工の装飾品です。また、タイの各民族グループが使う独特の織物や刺繍も展示されており、その美しさと技術の高さに驚かされます。中でも、山岳民族の衣装は色鮮やかで、見ているだけで楽しくなるコレクションです。
伝統楽器や祭りに使われる道具も展示されているため、タイの生活文化や宗教儀式への理解が深まります。装飾芸術のセクションでは、作品の背景や用途についても詳しく説明されているため、文化体験としても満足度の高い内容です。写真撮影が許可されている展示も多いので、旅の思い出として記録に残すのもおすすめです。
バンコク国立博物館への行き方

バンコク国立博物館は、王宮やワット・プラケオの近くに位置しており、バンコク中心部からもアクセスしやすい観光スポットです。移動方法としては、渋滞を避けられるBTS(高架鉄道)とボートの組み合わせや、便利なタクシーの利用が一般的です。所要時間や費用を考慮し、旅のスタイルに合った移動手段を選びましょう。
BTS(高架鉄道)+ボート
バンコク中心部から公共交通機関でアクセスする場合、BTSとチャオプラヤー川のボートを組み合わせたルートがおすすめです。まず、BTSシーロム線に乗り、サパーンタクシン駅(Saphan Taksin)で下車します。所要時間はサイアム駅から約10分で、運賃は16〜44バーツ(約65〜180円)です。
サパーンタクシン駅を降りたら、すぐ近くのサトーンピア(Sathorn Pier)からチャオプラヤー・エクスプレスボートに乗船します。オレンジ旗のボートを利用すると、運賃は15バーツ(約60円)で、ターチャン船着場(Tha Chang Pier)まで約20分です。船着場から博物館までは徒歩約10分の距離で、川沿いの風景を楽しみながらアクセスできます。
このルートは、渋滞の影響を受けないため、特に朝夕のピーク時に有効です。BTSとボートを組み合わせた総所要時間は約40〜50分で、合計費用は約31〜59バーツ(約130〜240円)と経済的です。川を移動しながらバンコクの街並みを眺められるのも魅力の一つです。
タクシー
タクシーは、荷物が多い場合やドア・ツー・ドアでの快適な移動を求める方におすすめです。バンコク中心部(サイアム駅やアソーク駅周辺)からバンコク国立博物館までの距離は約5〜7kmで、通常の所要時間は約20〜30分です。ただし、バンコクは渋滞が多いため、特に朝夕のラッシュアワー(7:00〜9:00、17:00〜19:00)には40〜60分かかることもあります。
タクシー料金は初乗りが35バーツ(約140円)で、中心部からの総額は約100〜150バーツ(約400〜600円)です。ドライバーが英語を話せない場合もあるため、目的地の名前(National Museum)やタイ語表記(พิพิธภัณฑสถานแห่งชาติพระนคร)を紙に書いておくと安心です。Grabなどの配車アプリを利用すれば、料金が事前に分かりトラブル回避につながります。

バンコク国立博物館の利用料金

バンコク国立博物館の入館料は、外国人観光客は一律200バーツ、タイ国民は30バーツと設定されています。子どもや学生の割引はなく、全員同じ料金となります。博物館は火曜日から日曜日の9:00〜16:00まで開館しており、月曜日と祝日は休館となるため、訪問前にスケジュールを確認しておくと安心です。
また、特別展が開催されることもあり、その場合は追加料金が発生することもあります。チケットは入口の窓口で購入できますが、混雑することもあるため、時間に余裕を持って訪れるのがおすすめです。館内は広いため、ゆっくりと見学するなら2〜3時間ほど確保するとよいでしょう。
バンコク国立博物館の日本語ガイドツアー
バンコク国立博物館では、日本人観光客向けに日本語の無料ガイドツアーが提供されています。このツアーは「ナショナルミュージアム・ボランティア」という団体が運営しており、毎週水曜日と木曜日の9:30から開催されます。予約は不要で、入館料のみで参加可能です。
ツアーの所要時間は約2時間で、タイの歴史や仏像の特徴、王室文化などについて詳しく解説してくれます。日本語での説明があることで、展示品の背景をより深く理解できるのが魅力です。ただし、ツアーの開始時間に遅れると合流が難しいため、余裕を持って訪れることをおすすめします。また、団体ツアーや特別な解説を希望する場合は、事前にボランティア団体へ問い合わせると良いでしょう。
バンコク国立博物館の展示物

バンコク国立博物館の展示物は、タイの長い歴史と豊かな文化を物語る貴重な品々が揃っています。特に目を引くのが、スコータイ王朝やアユタヤ王朝時代の仏像コレクションです。仏像の表情や装飾の違いを見比べることで、時代ごとの美術様式の変遷を感じることができます。また、歴代のタイ王が実際に使用していた黄金の調度品や、精巧な彫刻が施された王室の馬車など、王室文化を象徴する展示も必見です。
博物館の中央にある「プラ・ティナン・ワンナー」(旧王宮)の建物では、壁画や装飾品を通じてタイ建築の美しさを間近に感じることができます。さらに、古代の戦争で使用された武具や、大航海時代の地図なども展示されており、タイがアジアの交易拠点として発展してきた歴史を知ることができます。特に注目したいのが「ラムカムヘーン大王碑文」で、これはタイ文字の原型が刻まれた石碑として、世界的に貴重な文化財です。
バンコク国立博物館の施設

バンコク国立博物館は広大な敷地内に歴史的建造物が点在し、それぞれの建物が異なるテーマで展示を行っています。かつての王宮建築をそのまま利用した施設も多く、美術品や歴史資料と共にタイ建築の美しさも楽しめます。ここでは、特に見逃せない主要施設を紹介します。
中央宮殿
中央宮殿は、かつてラマ1世の王子が住んでいた王宮で、現在は博物館のメイン展示エリアとして利用されています。建物自体が18世紀末に建てられた歴史的なもので、タイ伝統建築と西洋建築が融合した美しいデザインが魅力です。内部では、タイの王室関連の品々や古代の美術品が展示されており、金細工の豪華な装飾品や伝統衣装、儀式用の道具などが並びます。
特に注目は、歴代国王の肖像画や王冠など、王室の威厳を感じられる展示物です。天井や壁には繊細な装飾が施されており、建物全体が芸術作品のような雰囲気を持っています。訪れる際は、建物外観の写真撮影もおすすめで、宮殿の華麗な外観と美しい庭園が印象に残ります。
王家の葬儀に関する展示室
この展示室では、タイ王室の葬儀に関する文化や伝統を深く学ぶことができます。タイの王室葬儀は非常に厳粛で格式が高く、数カ月から一年をかけて準備される大規模な儀式です。展示室内には、王室の火葬用に使われた壮大な儀式用車両「葬送用御車(プラ・ラチャ・カーン)」が展示され、その大きさと精巧な装飾に圧倒されます。
特に高さが10メートル以上にもなる金色の御車は必見で、細部まで手作業で作られた彫刻が美しく輝いています。また、葬儀で使用される仏像や儀式用具、王族の肖像写真も展示されており、厳かな雰囲気が漂います。王室の歴史や文化をより深く理解することができ、訪問者にとって非常に貴重な学びの場となるでしょう。
赤い館
「赤い館」は、鮮やかな赤い外壁が特徴的な木造建築で、元はラマ1世の妹の住居として建てられた建物です。現在は、タイ王室がかつて使用していた家具や生活用品を展示するスペースとして公開されています。内部には、豪華な木彫りの家具や王室専用の調度品、伝統的な寝具や食器が並び、当時の王族の生活様式を垣間見ることができます。
また、壁には歴代王族の肖像画が飾られており、王室の歴史を感じられる展示が充実しています。建物自体が伝統的なタイ建築を代表するものとしても価値が高く、美しい彫刻と赤い外壁のコントラストが写真映えするスポットです。庭園の緑と赤い建物が織りなす景観は訪問者を魅了し、静かな環境の中でゆったりとタイの歴史を楽しむことができます。
ブッダ礼拝堂
博物館の中心的存在であるブッダ礼拝堂(ブッダイサワン礼拝堂)は、タイ仏教美術の宝庫です。この建物はラマ1世時代に建てられ、内部には国宝級の仏像「プラ・プッタ・シヒン」が安置されています。この仏像は、タイ国内で最も尊敬される仏像の一つで、その穏やかな表情と美しい黄金の輝きは訪れる人々を魅了します。礼拝堂の内部は豪華な装飾で彩られており、壁一面に描かれた精緻な仏教壁画はタイの伝統文化を深く表現しています。
特に壁画には、仏陀の生涯や地獄・天国の様子が描かれており、そのストーリーをたどることで仏教思想への理解が深まります。また、堂内は厳かな雰囲気に包まれており、訪れる際は静粛を保つことが求められます。美しい建築と宗教的な荘厳さが融合した空間で、心落ち着くひとときを過ごせます。
新歴史館
新歴史館は、バンコク国立博物館内で最も近代的な展示スペースで、タイの歴史を時代ごとにわかりやすく紹介しています。この館では、先史時代から近代までの重要な出来事を、映像やインタラクティブな展示を通じて学ぶことができます。特に、アユタヤ王朝やラッタナーコーシン時代の展示が充実しており、当時の戦争や貿易、文化交流について詳しい解説がされています。
また、西洋諸国との関係性を示す資料や、近代化に向けたラマ5世の政策を紹介する展示も見どころです。タイ語と英語の説明が用意されており、外国人観光客でも理解しやすい構成になっています。近代的な空間でありながらも、歴史の重みを感じさせる展示内容で、幅広い年齢層におすすめです。
北側の展示室
北側の展示室では、主にタイ北部の文化や芸術、民族に関する展示が行われています。ここでは、ランナー王朝やスコータイ王朝時代の貴重な工芸品や仏像、陶器が数多く並び、北タイ独自の美術様式や信仰の深さを感じられます。特に目を引くのは、精巧な木彫りの祭壇や仏教関連の装飾品で、地域の宗教行事や祭りで使用されていたものも展示されています。
また、ランナー文化を象徴する美しい織物や衣装も見どころで、鮮やかな色彩と緻密な模様が来館者を魅了します。展示室内には当時の生活道具も展示されており、歴史的背景だけでなく、庶民の暮らしにまで触れることができます。北タイ文化に興味がある方や、地域ごとの歴史を知りたい方には必見のエリアです。
南側の展示室
南側の展示室は、主にタイ南部の文化と歴史に焦点を当てたエリアで、海洋貿易や異文化交流に関する展示が特徴です。古代からタイ南部はマレー半島を通じて多くの国と貿易を行っており、その影響を受けた工芸品や宝飾品が豊富に展示されています。特にイスラム文化の影響を受けたデザインの陶器や装飾品は、他の地域とは異なるユニークな美しさを持っています。
また、海洋民族の生活様式を再現した展示コーナーでは、伝統的な漁具や船の模型が紹介されており、南部の人々がどのように自然と共生してきたのかを理解できます。さらに、貿易で栄えた港町の歴史を学べる資料もあり、国際的な文化交流の足跡を感じることができます。異文化が融合した南部特有の文化に触れられる貴重な空間です。
休憩所
広大なバンコク国立博物館を見学する中で、休憩所はほっと一息つける大切なスポットです。博物館内にはいくつかの休憩エリアが用意されており、快適なベンチや日陰のある庭園でリラックスできます。特に中庭にある休憩スペースは、緑豊かな環境で涼しい風を感じながら、美しい建築物を眺めることができる癒しの空間です。
また、館内の一角にはカフェも併設されており、冷たいドリンクや軽食を購入して小腹を満たすことができます。スイーツやフルーツジュースを味わいながら、観光の合間に疲れを取るのもおすすめです。カフェの隣にはお土産ショップもあるので、休憩後に伝統工芸品や記念品を選ぶこともできます。快適な休憩所を上手に利用し、最後まで快適に博物館巡りを楽しんでください。
バンコク国立博物館・北側の展示室
バンコク国立博物館の北側の展示室では、タイの主要な歴史時代に関する貴重な展示が充実しています。ランナー王国からラッタナーコーシン王国まで、各時代の特徴や文化が時系列で紹介されており、訪れる人々にタイの深い歴史を感じさせます。展示品は仏像、工芸品、武具、陶器など多岐にわたり、それぞれの王朝が築いた文化や美術の魅力を堪能できます。
ランナー王国
ランナー王国(1292年〜1775年)は、現在のチェンマイを中心とした北タイ地域に栄えた王国で、その独特の文化と宗教的な遺産が特徴です。北側展示室のランナー王国コーナーでは、当時の仏像や寺院装飾、織物が豊富に展示されています。特に、細やかな木彫りの祭壇や、金箔で覆われた仏像は、ランナー美術特有の優雅で繊細な美しさを放っています。
また、鮮やかな色彩の伝統衣装や布地も展示されており、ランナー文化における織物技術の高さを実感できます。展示室にはランナー王国の信仰や日常生活を伝える工芸品や宗教具も並び、当時の人々の暮らしぶりを垣間見ることができます。ランナー文化に興味がある方や、タイ北部の歴史を深く知りたい方におすすめの展示エリアです。
スコータイ王朝
スコータイ王朝(1238年〜1438年)は、タイ初の独立王朝として知られ、仏教文化と美術が大きく発展した時代です。展示室内には、スコータイ時代を象徴する仏像が数多く並んでおり、なかでもしなやかで柔らかな曲線を描く「スコータイ様式」の仏像は必見です。これらの仏像は微笑みを浮かべた表情が特徴で、「スコータイの微笑み」とも称され、穏やかで平和な王国の象徴とされています。
また、青白磁や陶器の展示も豊富で、当時の貿易活動や食文化を知る手がかりとなります。展示解説では、スコータイ王朝が仏教を国家の中心に据え、文字や法典を整備した背景も紹介されており、歴史的な意義を深く学べます。スコータイ時代の芸術と文化に触れながら、タイ文化の基礎が築かれた様子を体感できるエリアです。
アユタヤ王朝
アユタヤ王朝(1351年〜1767年)は、400年以上続いたタイの強大な王朝で、国際的な貿易と文化交流が盛んに行われた時代です。展示室では、当時の繁栄を象徴する豪華な装飾品や武器、交易品が並んでいます。特に注目すべきは、王族が使用していた金細工や宝飾品で、その豪華さと精緻なデザインに圧倒されます。また、ヨーロッパや中国との交易に関連する展示もあり、アユタヤが東西貿易の重要拠点であったことを物語っています。
軍事面では、実際に使用された剣や鎧が展示され、侵略と防衛を繰り返した王朝の歴史を感じさせます。さらに、アユタヤ時代の寺院建築を再現した模型や壁画もあり、当時の都市計画や建築技術の高さがよくわかります。歴史好きや建築に興味がある方にとって、非常に見応えのある展示です。
トンブリー王朝
トンブリー王朝(1767年〜1782年)は、アユタヤ王朝滅亡後、タイの再建を担った短命ながらも重要な王朝です。展示室では、トンブリー王朝の創設者であるタークシン王に関する資料や肖像画が多く展示されており、その功績を深く知ることができます。アユタヤ崩壊後の混乱を収め、王国を再統一したタークシン王のリーダーシップや軍事戦略を示す資料は、歴史的に大変貴重です。
軍事用の武具や当時の貨幣、交易品も展示され、内政や外交での取り組みが視覚的にわかりやすく紹介されています。また、トンブリー時代の仏像や寺院の装飾も展示されており、短期間ながらも文化と信仰が復興していった様子が感じられます。特に、バンコク建都前夜の歴史を知りたい方にとっては、必見の展示エリアです。
ラッタナーコーシン王国
ラッタナーコーシン王国(1782年〜現在)は、バンコクを首都に置いた現在のタイ王国の始まりで、近代化と西洋との交流が進んだ時代です。展示室では、初代ラマ1世から現代に至るまでの歴代国王の肖像画や、王室に関連する宝飾品、儀式用具が展示されています。特にラマ5世(チュラロンコーン王)の近代化政策に関する展示は充実しており、西洋文化を取り入れた当時の衣装や書簡が目を引きます。
また、王室の豪華な調度品や公式儀式で使用された黄金の装飾品は、その豪華さに圧倒されることでしょう。さらに、現代の王室活動に関する写真や映像資料もあり、現在のタイ王国と王室のつながりを感じられます。この展示エリアは、タイの伝統と現代がどのように共存してきたのかを学べる貴重な場所で、国王を敬うタイ文化をより深く理解できるでしょう。
バンコク国立博物館・南側の展示室
バンコク国立博物館の南側展示室は、アジア全域にわたる歴史と芸術の豊かな遺産を展示するエリアで、特に東南アジアの古代文明や王国の文化が詳しく紹介されています。多彩な展示物を通じて、アジアの歴史や宗教、芸術に深く触れられるため、歴史好きや文化に興味がある方におすすめのスポットです。
アジアの芸術
「アジアの芸術」展示室では、東南アジアを中心としたアジア各国の伝統的な美術品や宗教的な彫刻が紹介されています。中国やインド、日本、カンボジアなど、さまざまな文化圏から集められた仏像や陶磁器、絵画が並び、地域ごとの美術様式や宗教観の違いが一目でわかります。
特に、中国の青磁やインドのヒンドゥー教彫刻は見応えがあり、繊細な彫刻や豪華な装飾に目を奪われます。展示品の中には、タイに影響を与えた芸術品も多く、タイ文化の成り立ちを理解する上でも貴重な資料です。アジアの多様な文化の交わりを感じながら、国ごとの美意識や宗教観を比較できるのがこの展示室の魅力です。
先史時代
「先史時代」展示室では、タイおよび東南アジアにおける人類の起源と文明の発展を紹介しています。展示は石器時代から青銅器時代、鉄器時代にかけての遺物を中心に構成され、石器や土器、装飾品が多数展示されています。特に注目は、バンチェン遺跡から出土した彩色土器で、約3,000年前のものとは思えないほど美しい渦巻き模様が特徴です。
また、骨の化石や古代の狩猟道具も展示されており、当時の人々の生活や文化を具体的にイメージできます。農耕の始まりや集落形成の様子を解説するパネルも充実しており、東南アジア文明のルーツを学びたい方におすすめのエリアです。
ドヴァーラヴァティー王国
「ドヴァーラヴァティー王国」展示室は、6世紀から11世紀にかけて現在のタイ中部で栄えた古代モン族の王国に焦点を当てています。展示物には、仏教の影響を受けた石碑や彫刻、宗教儀式に使用された装飾品が多く並んでいます。特に有名なのは、丸みを帯びた仏像や石彫レリーフで、その表情は穏やかで瞑想的な雰囲気を漂わせています。
ほかにも、当時の貨幣や貿易品が展示され、ドヴァーラヴァティー王国が中国やインドと盛んに交流していたことがわかります。仏教文化がどのように地域に根付いていったのかを学ぶには絶好の場所で、歴史や宗教に興味のある旅行者には見逃せない展示室です。
ジャワの芸術
「ジャワの芸術」展示室では、インドネシアのジャワ島を中心とした古代文明の芸術作品が紹介されています。特に、ヒンドゥー教や仏教が融合した彫刻や建築装飾品が目を引きます。ジャワの有名な遺跡であるボロブドゥール寺院やプランバナン寺院に関連するレリーフや石像は、宗教的な物語や教えを表現しており、芸術性の高さに感嘆させられます。
展示物の中には、神々の彫像や儀式用の装飾品があり、当時の王朝がいかに宗教を重視していたかが感じられます。また、ジャワ文化独特のデザインや彫刻技法を観察することで、東南アジア各地への文化的影響がわかります。芸術や建築が好きな方にとっては、細部に込められた職人技を見るだけでも十分に楽しめる展示室です。
シュリーヴィジャヤ王国
「シュリーヴィジャヤ王国」展示室は、7世紀から13世紀にかけて東南アジアの海上貿易を支配したマレー半島発祥の王国の歴史を紹介しています。シュリーヴィジャヤは強力な海洋帝国であり、インドや中国との貿易を通じて仏教文化が広まりました。この展示室では、貿易で得られた陶磁器や金属製品、宗教儀式に使われた装飾品が展示されています。
特に、金で装飾された仏像や航海に使用された古代の船の模型は必見で、当時の技術力の高さがうかがえます。また、シュリーヴィジャヤ王国が東南アジアの文化交流の中心であったことを示す資料も豊富にあり、地域全体の歴史的背景を深く学べます。貿易や海洋史に興味がある方には特におすすめの展示です。
ラヴォ王国(ロッブリー)
「ラヴォ王国(ロッブリー)」展示室は、7世紀から14世紀にかけて現在のタイ中部で栄えた王国に関する展示を中心に構成されています。ラヴォ王国はクメール帝国の影響を強く受けていたため、展示されている建築装飾や彫刻にはアンコール・ワット様式が多く見られます。特に、ヒンドゥー教と仏教が融合したレリーフや神像が印象的で、その細部には当時の高度な技術が感じられます。
展示室では、宮殿や寺院の模型、当時の生活用品も展示されており、王国の文化や社会構造を視覚的に理解できます。ロッブリー遺跡に実際に訪れる前にこの展示を見ると、現地での観光がさらに充実します。タイの古代史やクメール文化に興味がある方には必見のエリアです。
バンコク国立博物館基本情報
- 施設名:バンコク国立博物館(Bangkok National Museum)
พิพิธภัณฑสถานแห่งชาติ พระนคร (Phiphitthaphanthasathan Haeng Chat Phra Nakhon) - 住所:Na Phra That Road, Phra Borom Maha Ratchawang, Phra Nakhon, Bangkok 10200, Thailand
- 営業時間:水曜~日曜9:00~16:00(最終入館 15:30)、休館日:月曜・火曜・タイの祝日
- 料金:外国人:200バーツ、タイ国籍保持者:30バーツ
- Googleマップ
まとめ
バンコク国立博物館は、タイの歴史や文化を深く知ることができる貴重なスポットです。スコータイやアユタヤ時代の仏像、王室の豪華な調度品、歴史的な碑文など、見どころが満載です。日本語ガイドツアーを利用すれば、展示の背景をより深く理解できるのも魅力です。
博物館内は広いため、歩きやすい靴で訪れ、じっくりと時間をかけて見学するのがおすすめです。また、冷房完備の休憩スペースやカフェ、お土産ショップも充実しており、観光の合間に立ち寄るのにもおすすめです。タイの王室文化や芸術を堪能できるバンコク国立博物館へ、ぜひ訪れてみてください。