2014年5月5日タイ北部チェンライでマグニチュード6の地震が発生しました。
日本にいるときはテレビで地震速報がたびたび流れたり、防災グッズが店頭に並んでいたり。常に頭のどこかで地震を気にかけていたのですが、タイに住み始めてからすっかり地震のことは頭から抜けていました。
そんな時に突然大きな揺れを経験し、頭が真っ白になってしまいました。
ここではタイの地震について、そしてタイで地震に遭ってしまったらどうしたらいいのかをまとめました。
タイで地震のある地域
バンコクは地震の心配がほとんどない
タイ国内には13の活断層があります。活断層はタイ北部、西部、南部に集中していて、バンコクがあるタイの中心部にはありません。
活断層のある地域で発生した地震でバンコクが揺れることもありますがマグニチュード1程度の小さなものにすぎません。
タイ南部の地震と津波
2004年インドネシアのスマトラ島沖でマグニチュード9.1の大地震が発生し、タイの南部も大きく揺れました。そしてプーケットをはじめ、アンダマン海に面したタイ南部6県を壊滅的な津波が襲い、死者5,000人以上という最悪な結果となりました。
タイ北部の地震
タイの活断層の半分以上が集中しているタイ北部ではたびたび地震がありますが、体に感じる揺れは1年に1回あるかないかぐらいです。私は北タイのチェンライ県に12年住んでいますが、実際揺れを感じたのは6〜7回くらいです。
タイでマグニチュード6.2の地震に遭遇!そのとき街の様子は?
2014年5月5日にチェンライ県で起きた地震はマグニチュード6.2で、タイ史上初めて地震による死者が2名出ました。震源から南に800キロ離れたバンコクでも揺れが観測されたそうです。
初めての大地震でみな大パニック!
大きな揺れを感じて急いで息子を抱きかかえ家の外に飛び出しました。隣近所もみんな着の身着のまま、携帯電話だけを握りしめて外で立ち尽くしていました。裸足の人もいます。
若い人たちは必至でスマホで誰かに連絡を取ろうとしていましたが、インターネットがつながらなくてパニック状態になっている人もいました。隣に住む大家さんは家の中でシャワーを浴びていたお母さんを無理やり外に連れ出してきました。
実際大きな揺れはほんの数秒だったように思えます。揺れを感じで外に出たころにはもうおさまっていました。日本の震度4か5くらいの揺れでしたが、タイ人たちは生まれて初めての恐怖に大パニックでした。
想像以上の被害状況
その後テレビやSNSで被害状況を見て初めて大規模の地震だったことがわかりました。空港ターミナルの天井の一部が剥がれ落ちたり、道路がパックリ割れていたり、お寺が崩れ落ちている様子が映し出されていました。
その後も余震がしばらく続いたので、貴重品や食料を詰めたカバンを枕元に置いて寝るようにしていました。
タイで地震に遭遇したら!急いで建物の外へ!
こわいのは建物倒壊
私は地震大国日本で生まれたので少々の地震では驚きません。なので、タイの小さな地震で慌てることはありません。
しかし、タイの地震でこわいのは揺れではなく、建物に耐震性がないことです。日本のように地震を想定して家を建てていないので本当にもろいです。
被害状況を伝える写真を見ると建物がたくさん倒壊しているのですが、建物を壊すほどの大きな揺れではなかったと思います。日本であれば、せいぜい本棚が倒れるくらいでしょう。
小さな揺れでも外へ逃げよう!
このチェンライの地震で多くの建物にひびが入りました。学校は3日間休みになり建物が倒壊するおそれがないかチェックしたそうです。できて2年も経たない大型ショッピングモールもあちこちにひびが入り、一部壊れました。
そのため余震が来るたびに、家が壊れるのではないかとビクビクしていました。もしタイで地震に遭遇した場合は、大きな揺れでなくとも建物が崩れる可能性があるので外に逃げた方がいいでしょう。
タイで遭遇する地震や災害に備えて、在留届を提出
大使館の援護を受けよう
外国に3カ月以上滞在する日本人は、日本大使館や総領事館に「在留届」を出す必要があります。ですが、実際は在留届を出さない日本人が多いそうです。
在留届を出すと地震やテロなど緊急事態が発生した場合、安否確認、日本の家族に連絡など大使館から迅速な援護が受けられます。どんな災害や事件に巻き込まれるかわからないので絶対提出することをおすすめします。
外国人には不利な緊急事態
今のところ緊急事態に陥ったことはありませんが、そんなに大きくない地震でも慌てふためいているタイ人たちを見て、実際大きな地震に遭ったら街中大パニックになること間違いなしです。
そういう時タイ語もよくわからない、タイ人との人脈もあまりない外国人は絶対に不利だと思います。大使館に助けを求めることが最善です。
タイ人はこわいものみたさ?体験してみたい地震
チェンライで地震が起きた5月はタイの夏休み中のことでした。そのため学生たちはバンコクや海の方に遊びに行ったりしていてチェンライにいなかった子たちも多くいました。
地震を体験できず残念がる子どもたち
私はタイで教師をしていて、私が担当するクラスでもしばらく地震のことで話題がもちきりでした。
そして、地震発生時にチェンライにいなかった生徒たちはすごく残念がっていました。彼らは地震を体験したことがないので、一度体験してみたいのです。
不謹慎なことかもしれませんが、地震を知らない子どもたちにとって「日本に行って雪で遊んでみたい」と同じ感覚で興味の方が先に立つのです。
彼らにとって地震はまだまだ現実的なことではありません。タイ人に限らず実際に大地震を経験した人しか本当の恐ろしさはわからないかもしれません。
まとめ〜緊急時に備えて在留届は必ず届け出しておこう
地震のイメージがないタイですが、タイの北部、西部、南部に遊びに行く人や住む人は地震に遭遇することがあり得ると心にとめておいてください。
繰り返しになりますが、地震の際はあまり大きく揺れなくても、建物が崩れる可能性があるので、外に逃げるようにしてください。
タイに3カ月以上住む人は日本大使館や総領事館に在留届を出して、緊急事態の時に助けてもらえるようにしておきましょう。観光客や短期滞在の人も大使館の連絡先などは必ず携帯するようにしましょう。
そして周りのタイ人は大パニックを起こしているかもしれませんが、つられないようになるべく冷静に対処するようにしてください。