バンコク旅行の際に心配なのは、空港からバンコクまでの移動ではないでしょうか。旅慣れた方ならそれ程苦にはなりませんが、初めてタイに訪れる方は移動方法や言葉が分からないとハードルが高くなります。
また、バンコクには2つの空港があり、特徴や役割が異なります。この記事は、それぞれの空港の特徴と役割を紹介するので、初めてバンコクに行く方やトランジットで利用する方は、ぜひ参考にしてください。
タイ・バンコクには2つの空港がある
タイのバンコク旅行で利用する空港はサムットプラカーン県のスワンナプーム国際空港になります。さらにバンコクにはドンムアン国際空港があり、それぞれの空港は、目的地と航空会社によって分けられています。スワンナプーム国際空港は国際線や、タイのキャリア航空会社の国内線として使用されています。
一方、ドンムアン空港はLCC(格安航空会社)の近距離国際線や国内線が使用しています。日本から運航しているLCCのタイ・エアアジアXはスワンナプーム国際空港を使用し、近隣国と国内線はドンムアン国際空港を使用します。
バンコク・スワンナプーム国際空港とは
スワンナプーム国際空港は、アジアのハブ空港を目指すために2006年9月にバンコクの東へ約25㎞のサムットプラカーン県に開港しました。総床面積は563,000㎡で、成田空港の約3倍の広さを有し、1時間当たり76フライトの処理能力で年間約4,500万人の利用者と300tの貨物を扱うことが可能です。現在は、メインのターミナルとサテライロトターミナルの2つがあります。
日本の空港からはタイ国際航空、日本航空、全日空、ZIPAIR、Air Japan、Peach、タイ・べトジェット・エア、タイ・エアアジアXなどの航空会社が就航しています。
スワンナプーム国際空港からバンコク市内までの最速・最安の行き方
バンコク旅行で知りたいのは、スワンナプーム国際空港から最速、最安値でのバンコクへの行き方ではないでしょうか。タイではメインの空港なので移動方法はたくさんありますが、荷物の量や人数、到着時間によっても異なります。
日本からの便は早朝、午後、深夜の時間帯になるので、午後到着なら午前5時30分から午後12時まで運行しているエアポート・レール・リンクでバンコクへ移動してBTSやMRTに乗り継ぐのが最速、最安値の移動方法です。また、バンコクまではタクシー料金も安いので、3人で利用すれば他の交通機関と同じ程度の料金で最速でバンコクに行けます。
スワンナプーム国際空港からバンコク市内までの行き方
スワンナプーム国際空港からバンコクまでは、鉄道やタクシー、配車サービスなどがメインの移動方法です。ここでは、これらの移動方法について紹介します。
メータータクシー
タイは日本と比べてタクシー料金が安いため、バンコクへの移動で最も多く利用されています。初乗りは35バーツ(約147円)で空港から乗車する場合には空港使用料として50バーツ(約210円)加算されます。バンコク中心部までは高速代を含んで約350バーツ(約1,470円)ほどです。
乗車方法は、1階のタクシー乗り場の発券機で発行された番号の乗り場から乗車します。ホテルまで直接行けるので荷物が多い時には最も楽な移動方法ですが、バンコクには同じような名前のホテルがたくさんあるので、正確に行先をドライバーに伝えましょう。
エアポート・レール・リンク
エアポート・レール・リンクは、スワンナプーム国際空港とバンコクのパヤタイ駅を約30分で結ぶ鉄道です。乗車場所は、空港の地下1階で、運行時間は午前5時30分から午後12時の間となり、MRTに接続するマッカサンまでは35バーツ(約147円)、BTSに接続する終点のパヤタイ駅までは45バーツ(約189円)です。
バンコク中心部までは、最速・最安値で移動できますが大きな荷物があるとバンコクの歩道はデコボコで歩きにくいので、荷物が少ない方や駅の近くまたは直結のホテルに泊まる方におすすめです。
エアポートバス
スワンナプーム国際空港からは2つのエアポートバスが運行しています。1つ目がLIMO BASで、パヤタイ経由カオサン行きとシーロム経由サイアム行きの2路線が午前8時から午後11時の間に20〜30分間隔で運行しています。料金は180バーツ(約756円)です。
2つ目はElephant Airport Expressで、スクンビット、サトーン、旧市街の3路線を午前7時30分から午後6時までの間に約2時間の間隔で運行しています。料金は180バーツ(約756円)です。乗り場はどちらも空港1階の7〜8番ゲートです。
このバスは荷物を預けることができるので、バスを降りてからホテルが近い方は便利ですが、料金は安くないので2名以上ならタクシーや配車サービスがおすすめです。
ドンムアン空港行きシャトルバス
ドンムアン国際空港からはタイ国内線や近隣国へLCCが運航していますが、スワンナプーム国際空港とドンムアン国際空港は約46㎞ほど離れています。移動する際にはタクシーや電車などを利用すると時間と費用がかかるので、無料で利用できるシャトルバスがおすすめです。
シャトルバスは午前5時から午後12時の間12〜30分間隔で運行され、所要時間は40分から1時間です。スワンナプーム国際空港での乗車場所は2階の出口の3番ゲートになります。ここのAOTカウンターでドンムアン空港発の搭乗券やEチケットを提示して、名前や電話番号(日本の電話番号も可)を記入すると搭乗シールがもらえます。
一方、ドンムアン国際空港の乗車場所は第一ターミナルの1階6番ゲートです。
注意点は、空港間を結ぶシャトルバスのためバンコク中心部には行きません。また、渋滞する可能性があるので、時間には余裕をもって乗車しましょう。
セントラルワールドとのシャトルバス
バンコクの中心部ラチャプラソンに位置する人気のショッピングスポットセントラルワールドと、スワンナプーム国際空港を結ぶシャトルバスが運行を開始しました。料金は150バーツ(約630円)で、乗り場はスワンナプーム国際空港2階8番出口付近から。セントラルワールドは裏手からの発着になります。
スワンナプーム国際空港発は午前11時30分、午後3時30分、午後7時30分でセントラルワールド発は午前10時、午後2時、午後6時です。利用するには予約が必要なので出発30分前までにカスタマーサービスで予約をしましょう。
予約:Line ID:@tripctv ,電話-66-8-092-43300
AOTリムジン
バンコク初めての方におすすめなのがAOTのリムジンタクシーです。スワンナプーム国際空港からは目的地まで行くことができて、一般のタクシーのようにメーター制でなくあらかじめ料金が決められているためぼったくりの心配がありません。また、空港で並ぶ必要がなく、使用する車も高級車なので贅沢な気分を味わうことができます。
乗り場は到着フロア(2階)のAOTカウンターで受付をすると案内が受けられます。料金は、1,100バーツ(約4,620円)以上になるため料金よりも快適な移動をしたい方にはおすすめです。
ロットゥー
スワンナプーム国際空港からバンコクへの最安値で移動する方法に小型乗合バスのロットゥーがあります。行先は、オンヌットやバンナー、ミンブリ―などに限られて、おもに空港勤務者が利用しています。
乗り場は、ターミナルビルの2階の5番ゲートから出て2レーン目のシャトルバス乗り場から巡回バスに乗って、トランスポーテーションに移動します。ここから満員になるとロットゥーが発車します。料金はBTSのオンヌット駅までは30バーツ(約126円)で、ホテルがスクンビット方面ならBTSに乗り換えて10分ほどで到着します。
注意点としては、荷物を置く場所がないため、スーツケースなどは積み込むことができません。また、外国人旅行者相手ではないので、タイ語が全く分からない方にはハードルは高くなります。
配車サービス(Grab・Bolt)
タイでは配車サービスのGrabとBoltが利用できます。どちらも事前にアプリを登録して、クレカ払いに設定すれば料金を現金で支払う必要がありません。乗車場所は配車アプリによって異なります。Grabは、1階の4番ゲートから出て道路を渡ると専用の乗り場があります。
一方、Boltは2階の到着フロアが乗車場所になりますが、ドライバーによっては4階の出発フロアの場合があるので、ここで乗車するかドライバーからのメッセージを確認する必要があります。どちらも、行先と乗車場所を入力して車を選べばドライバーが決定したらメッセージが来るので、ナンバーを確認して乗車するだけです。
料金は高速代込みでバンコク中心部までは400バーツ(約1,680円)ほどです。両方の配車サービスを比較すると料金はBoltの方が若干安くなりますが、乗車場所が固定されているGrabの方が使い勝手は良いといえます。
旅行会社の空港送迎サービス
タイの旅行会社では空港の送迎サービスがあります。料金は、旅行会社や乗車する車によって異なりますが、ドライバーのみでスワンナプーム国際空港からバンコクまでは貸し切りでセダンは1,500バーツ(約6,300円)、ワゴン車は2,000バーツ(約8,400円)アルファードなどの高級ワゴンス車は4,000バーツ(約16,800円)ほどです。
ドンムアン国際空港からバンコクまでの送迎サービスもほぼ同じ料金になります。乗り場は、どちらの空港も到着口に送迎会社の名前や乗車する方の氏名が書かれたプラカードを持った担当者がいますので、見つけたら名前を告げます。
利用する場合には予約はネットで日本からできるので、旅行の日にちが確定したら旅行会社を選んで予約をしましょう。
バンコク・ドンムアン国際空港とは
ドンムアン国際空港はバンコクにある2つの空港のひとつで、バンコク中心部の北約20㎞のドンムアン地区に位置しています。この空港は1914年にタイ空軍飛行場として開港して、1924年に民間航空機の受け入れを開始したアジア最古の空港です。
民間航空機受け入れ以後は、アジアとヨーロッパ、オセアニアを結ぶ中継地点として東南アジアのハブ空港、タイの玄関口として機能してきました。
2006年にスワンナプーム国際空港の開設に伴い、すべての定期便を移転させたため一度は閉鎖されましたが、2007年に国内線の定期便の運転を再開して、現在第一ターミナはLCC近距離国際線、第二ターミナルはLCC国内線として使用されています。
ドンムアン国際空港からバンコク市内までの最速・最安の行き方
ドンムアン国際空港からバンコク中心部までの移動は鉄道やエアポートバス、タクシーなどたくさんの交通機関が利用できます。その中でも最速は、2021年に開業したSRTダークレッドラインです。ドンムアン駅からはバンコクのクルンテープ・アピワット中央駅(旧バンスー中央駅)まで約20分です。
クルンテープ・アピワット中央駅は、MRTブルーラインのバンスー駅に接続しているので、スクンビットやシーロムなどのホテルに宿泊する方には便利です。一方、最安値は国鉄です。バンコクのフアランポーン駅まで5バーツ(約210円)で行くことができます。
ドンムアン国際空港からバンコク市内へのアクセス
ドンムアン国際空港からバンコクへのアクセスは方面別に多くの移動方法があります。ここでは、おもな移動方法を紹介するので、宿泊するホテルのエリアや荷物などを考慮して最適な移動方法を選びましょう。
メータータクシー
バンコクへの一般的な移動方法はメータータクシーです。タクシーの乗り方は第一ターミナル1階8番ゲート付近の発券機で発券して自分の番号になったらカウンターに行先を告げると担当ドライバーが来ます。この時に、ドライバーから行先を聞かれることがあるので、ホテルのバウチャーなどを用意しておきましょう。
初乗り料金は35バーツ(約147円)で空港使用料50バーツ(約210円)と高速代が加算されます。バンコク中心部までの料金は約300バーツ(1,260円)ほどです。
エアポートバス
荷物が少なく徒歩が気にならない方におすすめなのがエアポートバスです。空港からはA1:BTSモーチット駅経由北バスターミナル、A2:BTSモーチット駅経由BTSビクトリーモニュメント駅、A3:エアポート・レール・リンクラチャプラーロップ駅、BTSサラディーン駅経由MRTルンピニ駅、A4:カオサン通り経由サナームルアン行きの4路線があります。
エアポートバスの乗り場は第一ターミナル1階6番出口です。料金は30〜50バーツ(約126〜210円)で、午前6時30分から午後12時まで5〜30分間隔で運行しています。
SRTダークレッドライン
安い料金で渋滞なしでバンコクまで移動できるのがSRTです。空港に接続するドンムアン駅からクルンテープ・アピワット中央駅までは20バーツ(約84円)、約20分で到着します。
この駅に接続するMRTブルーラインのバンスー駅から乗り換えて、スクンビットやシーロムまでは20〜30分です。午前5時37分から午前0時7分の間、1時間に2〜5本運行しています。
AOTリムジン
予算に余裕がある方におすすめなのがAOTリムジンです。車はトヨタカムリ、ベンツ、ミニバスから選べて、バンコク内の料金は850から1,200バーツ(約3,570〜5,040円)です。
一般のタクシーと比べると割高ですが、料金が決まっているのでぼったくりがなく快適に移動ができます。乗り場は、第一ターミナル1階の1番ゲートに受付カウンターがあります。
国鉄
ドンムアン国際空港からバンコクへの最安値が国鉄で、料金はフアランポーン駅まで5バーツ(約21円)です。乗り方は、第二ターミナルから歩道橋で道路の向かいに渡ると国鉄ドンムアン駅に到着します。
この路線はSRTと並行して走っていて終点はフアランポーン駅で、所要時間は40分から1時間です。バンコク中心部までは、バンスー駅で下車してMRTブルーラインに乗り換えると時間短縮になります。
配車サービス(Grab・Bolt)
2024年3月にドンムアン国際空港からGrabのピックアップポイントが開設されました。乗り場は国内線到着口の第二ターミナル1階12番ゲート前になります。もう一つの配車サービスにBoltがあります。
料金はGrabよりも若干安いですが、空港に指定のピックアップポイントがないためGrabがおすすめです。料金はバンコク中心部まで300から350バーツ(約1,260〜1,470円)ほどです。
まとめ
日本からスワンナプーム国際空港には早朝、午後、深夜の異なる時間帯に到着します。この記事で紹介したように、バンコク中心部まではさまざまな移動方法があるので、到着時間や料金、荷物の量などを考慮して最適な移動方法を選びましょう。