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タイの田舎の学校で起きたびっくりハプニング!タイ移住歴13年の日本人が解説

現在タイに13年ほど住んでいます。2007年当時私はタイの最北端メーサイという街に住んでいました。

ミャンマーとの国境に接しているので、街の中にもミャンマー人がたくさん暮らしています。

また国共内戦線で雲南省から逃れてきた中国人の子孫たちや山岳民族もいて、ある意味とてもインターナショナルです。

周囲は緑の山々に囲まれ、田園が広がり、時に水牛やヤギの群れが道路を横断するほどのどかな町です。

こんなのんびりした町なのですが、びっくり驚くようなことが日々起こります。

それも大都会バンコクでは味わえないものばかりです。

今回は私の勤め先の小中学校で遭遇したハプニングをいくつか紹介します。

目次

ニワトリ売りのおじさん

鶏

その日もいつも通り小学生のクラスで英語を教えていました。私の教室は1階にあり、校庭がよく見渡せます。

時折授業中にもかかわらず校庭に物売りの人が入ってくることもありました。ほうき、はしご、かご、野菜などをリヤカーに積んだり、背中に担いだりして売りに来ました。

でもその日は少し違っていました。

教室の横の廊下を茶色い毛の塊のようなものを持った男がゆっくり通りかかりました。

その茶色の塊はよく見ると足をギュッと握られ逆さづりになった3、4羽のニワトリでした。羽をバタバタさせています。

私がじろじろ見ているとおじさんと目が合いました。その瞬間「ふんっ!」と言って私にそのニワトリを差し出しました。

一瞬固まってしまいましたが、「いらない」と手を振ると、また「ふんっ!」と言ってゆっくり歩いて行ってしまいました。

おじさんが歩き去ったあとしばし考え込んでしまいました。

もしあの場で「まあ、新鮮!今日の夕飯に1羽いただくわ。」と言っていたら、授業中そのニワトリをどこに囲っておいたら良いのでしょう。

教室で放し飼いにするのもいかがなものかと。その後のニワトリを思いながら授業に戻りました。

国旗掲揚

国旗

タイの学校では朝8時になると校庭に生徒が集まり、国歌を斉唱しながら、タイ国旗を掲揚する習慣があります。日本でも私の子どものころは学校で同じことをしていました。

全員ピシッと「きをつけ」の姿勢で国旗が上がるのを見届けます。タイでも、生徒たちがピシッと並んで国旗を見上げています。そこまでは私も日本で見慣れた風景でした。

ここからが違います。

先生たちは校庭の横の方から生徒たちの国歌斉唱を見ています。ふと私の左を見ると朝ごはん真っ最中の先生がいます。こそこそ食べるわけではなく堂々と机に広げて食べています。

生徒はピシッと国歌を歌っているのに。

そしてふと右を見ると眉毛を描いている先生がいます。メイクの真っ最中です。いったいどうなっているのでしょう。だんだん生徒が気の毒になってくる時間でした。

学校から消えた先生たち

風景

お昼休みが終わって、午後1時になると校庭で遊んでいた生徒たちがそれぞれ教室に戻っていきます。その日は私が授業を始めて30分経っても、校庭でまだ遊び続けている生徒がたくさんいました。

どうなっているんだろうと隣の教室をのぞいてみました。先生はいません。生徒たちはそれぞれ好きなことをしています。反対隣の教室も覗いてみましたが、やはり先生はいませんでした。

よくよく見ると、授業をしているのは私のクラスだけでした。なんなのこれ?ちょっと心配になり職員室に行くと、そこには先生が1人しかいませんでした。

「どうなっているんですか!?」と驚いて聞くと、その先生が「校長が他の先生を引き連れて買い物に行っている。」と言うじゃありませんか。

それも学校に必要なものを買いに行っているんじゃないんです。自分の服や靴、お酒などを買ってみんなでショッピングを楽しんでいるというのです。

空いた口がふさがりません

1人留守番の先生を残して、後はよろしくって、日本ではあり得ないでしょう。

すべての公立の学校がこんな風だとは言いませんが、悲しいことに生徒そっちのけで先生が好き勝手している学校は多いと思います

元旦生まれが多いおめでたいクラス

学生

これは私の無知が生んだバカなエピソードです。

その日は「月日」の言い方や「誕生日の尋ね方」を教えていました。一通り教え終わると、1人1人に誕生日を聞きます。

みんな覚えた言葉を一生懸命思い出しながら答えてくれました。3人目の子に誕生日を聞くと、「1月1日です。」と答えました。

私は思わず「あなたはラッキーな日に生まれたのねえ。」というと、その子は私の言ったことがよくわからなかったようで、二コリと微笑みました。

タイ人にはよくあることで、わからないときは、とりあえず二コリとします。そして次の子に誕生日を聞くと、また1月1日だと言います

「すごい!正月生まれが2人もいるなんて!」と驚いて大きな声で言ってしまいました。

みんな二コリとしています。どんどんみんなに誕生日を聞いていくと、また1月1日だという子がいました。

「えっ!? 本当!?このクラスって奇跡だね!!」と1人で興奮してしまいました。みんなはニコリとしています。そしてまた一人1月1日という子が出てきました。

このとき初めて「怪しい。怪しすぎる」と思いましたが、みんなふざけている様子はありません。

その後も1月1日生まれが続出で全部で13人もいました。

疑わしい気持ちで授業を終えたその数か月後、やっとその理由がわかりました。その学校には山岳民族の子どもたちが多く、出生届けを出していない子どもたちもたくさんいました。

本当の誕生日がわからない子どもたちは1月1日を仮の誕生日として役所に登録するのだそうです。

知らなかったとはいえ、思い出すと自分の発言が恥ずかしいです。救いは、みんながニコニコしていたことです。通じてなくて本当に良かったです。

愛され、守られてるオネエ

服

タイにはいわゆるオネエがどこにでもいます。

病院、銀行、郵便局、スーパー、コンビニなどどこでも普通に働いています。私の学校にももちろんいます。先生にもいますし、生徒にもいます

だいたいどのクラスにも1人や2人はいます。その日臨時であるクラスを担当することになりました。教壇に立つと、大まかに女子と男子で別れて座っています。

その女子の真ん中に色白で目のくりくりした可愛らしい男の子がいました。ひと目見てオネエだとわかります。ガッシリとした体格の女の子がその子の周りを囲むように座っています。

私がそのかわいい男の子に「どんな動物が好きですか。」と尋ねると、即座に「犬が好きです」と周りの女の子岩子たちが答えます。その男の子はもじもじしているだけです。

もう1度その子に「じゃあ、好きな果物は?」と聞くと、「マンゴーです。」とまた周りの女の子岩子たちが答えるのです。

「その子に聞いているんだから、その子の声が聞きたいの!」と言って、いろいろ質問を変えて聞いてみましたが、すべて周りの女の子たちにブロックされてしまいました。

周りの女の子たちにがっちり守られ、結局最後までその男の子の声を聞くことはありませんでした。

授業中もずっと周りの女の子たちがその男の子にわからないところを教えてあげたり、ノートを見せてあげたりいろいろ世話を焼いていました。

他の男の子たちもそれをひやかしたりしません。彼らにとってその子を守ってあげるのは普通のことなのです。

私はその普通で当たり前のことに感動しました。日本ではまだまだLGBTに対してこんなにオープンではないからです。

まとめ

私はこの記事を執筆するために当時の経験を思い出している時に、1つの共通点を見つけました。それは、みんな自由すぎるほど自由だということです。

あれはダメ、これはダメがあまりないのです。目にした多くのハプニングは、自由に振る舞った結果のように思います。

日本で身についた常識で測ることができないため私にとってはハプニングでしたが、彼らにとっては日常茶飯事でした。

良いか悪いかは別として、自由に振る舞うことが許されるためストレスやプレッシャーが少ないことは確かだ思います。

この町にいる限り心を病むことはないかもしれません。

過ぎる自由が逆にストレスになることもありますが、私もこの町に来て随分自由で気ままになりました

この町に来て1番のハプニング、それは人々が驚くほど自由に暮らしていることでした。

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この記事を書いた人

タイ旅行でさまざまな都市をバックパックひとつで旅をする。プーケットにてスキューバダイビングのインストラクター資格を取得。バンコク在住歴は10年。

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