タイの首都バンコクから北へ約80km、世界遺産に登録されているアユタヤは、かつて栄華を極めたアユタヤ王朝の都です。その遺跡群の中でも、ひときわ美しい姿を誇るのが「ワット・プララーム」です。
アユタヤ観光では「ワット・マハタート」や「ワット・プラシーサンペット」が有名ですが、ワット・プララームは静かで落ち着いた雰囲気の中、壮麗な仏塔をじっくりと堪能できる穴場のスポットです。歴史を感じながら、幻想的な景観を楽しむことができるこの寺院の魅力を詳しくご紹介します。
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ワット・プララームの概要

ワット・プララームは、アユタヤ王朝初代王のラーマーティボーディー1世(ウートーン王)によって1369年に建立されました。この寺院は、王の火葬が行われた場所とされ、その後、立派な仏塔(プラーン)が建てられました。中央の仏塔はクメール様式を取り入れた美しいデザインが特徴で、周囲には小さな塔や仏像の残骸が点在しています。
かつては鮮やかな装飾が施されていましたが、時を経た現在では、歴史の重みを感じる荘厳な姿を見せています。ワット・プララームは「ワット・プラシーサンペット」や「ワット・マハタート」からも近く、アユタヤ遺跡観光のルートに組み込みやすい立地です。周囲に広がる緑豊かな公園と池が美しく、朝夕の時間帯には特に幻想的な景色を楽しむことができます。

ワット・プララームの観光ポイント3つ

ワット・プララームは、壮大なクメール様式の仏塔、美しい水辺の風景、そして静かに観光を楽しめる穴場の雰囲気が魅力です。高さ約40mの中央の仏塔は、精巧な彫刻が施された歴史的建築の傑作です。
また、池に映る仏塔の姿は、朝夕の時間帯に特に幻想的な光景を作り出します。さらに、観光客が少なく、落ち着いた雰囲気の中でゆっくりと遺跡を散策できるのも大きな魅力です。
壮大なクメール様式の仏塔
ワット・プララームの中央には、クメール建築の影響を強く受けた高さ約40mの仏塔がそびえ立っています。この仏塔の表面には精巧な彫刻が施されており、神話や仏教の世界観を伝えるデザインが今も残っています。
特に、天気の良い日には青空を背景に美しく映え、歴史の中に入り込んだような気分を味わえます。夕方には仏塔がオレンジ色に染まり、幻想的な雰囲気に包まれます。
観光客が少なく、静かに楽しめる穴場スポット
ワット・プララームは、アユタヤの主要観光地である「ワット・マハタート」や「ワット・プラシーサンペット」のすぐ近くにありながら、訪れる観光客の数は比較的少なめです。そのため、落ち着いた雰囲気の中でゆっくりと歴史に浸ることができます。
写真撮影もしやすく、朝の静けさの中で遺跡を独り占めする贅沢な時間を過ごせるかもしれません。人混みを避けてアユタヤ遺跡を楽しみたい方には特におすすめのスポットです。
水辺に映る幻想的な寺院の風景
ワット・プララームの周囲には池があり、そこに映り込む仏塔の姿がとても美しいことで知られています。特に朝日や夕日が水面に反射する時間帯は、まるで絵画のような風景を楽しむことができます。
アユタヤの遺跡群の中でも、水と調和した景観を楽しめる寺院は限られており、ここならではの絶景スポットとして人気があります。
ワット・プララーム観光ベストシーズン

ワット・プララームを訪れるのにおすすめな時期は、涼しく快適に過ごせる乾季(11月~2月)です。この時期は気温が20~30℃と比較的過ごしやすく、遺跡巡りにはぴったりのシーズンです。
特に朝夕の時間帯は気温が低く、仏塔に映る朝日や夕日が幻想的な景観を作り出します。一方で、観光客が少なく静かに楽しみたいなら、雨季(5月~9月)の早朝や夕方がおすすめです。
ベストシーズン
ワット・プララームを訪れるのにおすすめなシーズンは、乾季にあたる11月から2月です。この時期は気温が比較的穏やかで、湿度も低いため、快適に観光を楽しめます。特に朝夕は涼しく、仏塔に朝日や夕日が当たる幻想的な風景を堪能することができます。
また、12月にはタイの祝祭イベントも多く、アユタヤの遺跡がライトアップされることもあります。美しい景色を存分に楽しみたいなら、この時期の訪問がおすすめです。
観光客が少ない時期
観光客の少ない時期を狙うなら、5月から9月の雨季が狙い目です。この時期はスコールが降ることが多く、湿度も高いため、観光にはやや不向きですが、遺跡には訪れる人が少なく、静かな雰囲気の中で散策を楽しめます。
特に、早朝や夕方の時間帯なら気温も比較的涼しく、雨が降っていなければ快適に観光できます。また、雨上がりには遺跡の石畳がしっとりと濡れ、より神秘的な雰囲気を醸し出します。人混みを避けてゆっくりと遺跡を楽しみたい方には、あえてこの時期に訪れるのも一つの選択肢です。
ワット・プララームへの行き方

ワット・プララームへ行くには、まずバンコクからアユタヤへ向かい、そこから遺跡公園内へ移動します。バンコクからアユタヤへは電車(約1時間30分~2時間、20~300バーツ)、バス(約1時間30分~2時間、50~60バーツ)、バン(約1時間30分、70~100バーツ)、タクシー(約1時間~1時間30分、1,000~1,500バーツ)が利用可能です。
アユタヤ県中心部からはトゥクトゥクやレンタサイクル、バイクタクシーなどを使ってワット・プララームへアクセスできます。

交通機関を利用する
アユタヤの中心部からワット・プララームへ行くには、トゥクトゥクやレンタサイクル、タクシーが便利です。、交通手段によっては5~15分ほどで到着します。
- トゥクトゥク:アユタヤ駅周辺や観光エリアで簡単に利用可能。ワット・プララームまでの片道料金は150~200バーツ程度。遺跡巡りをするなら、1時間あたり300~500バーツで貸し切るのもおすすめ。
- レンタサイクル:駅周辺や宿泊施設で借りられ、1日50~100バーツと格安。遺跡巡りを自分のペースで楽しみたい人におすすめです。
- タクシー:アユタヤではタクシーは少ないが、ホテルなどで手配可能。料金は交渉制が多く、短距離移動なら100~200バーツ程度。
バイクタクシー
一人で気軽に移動したい場合は、バイクタクシーが便利です。アユタヤ駅や主要観光スポット付近にバイクタクシー乗り場があり、ワット・プララームまでの料金は50~100バーツ程度です。所要時間は5分ほどで、渋滞を避けてスムーズに移動できるのがメリットです。
ただし、ヘルメットを着用するよう求められる場合があるので、安全のために指示に従いましょう。また、運転手との料金交渉が必要な場合もあるため、事前に相場を把握しておくと安心です。
レンタカー
アユタヤの観光を自由に楽しみたい場合は、レンタカーを利用するのも良い選択肢です。バンコクで借りてそのままアユタヤまでドライブすることもできますし、アユタヤの市内でレンタルすることもできます。
- レンタカー料金:1日あたり800~1,500バーツ程度(車種による)
- レンタルバイク:1日200~300バーツ程度
レンタカーならワット・プララームだけでなく、周辺の遺跡や観光スポットも効率よく回れます。ただし、タイの交通ルールに慣れていない場合は、運転に注意が必要です。

オプショナルツアーを利用
効率的に観光したいなら、オプショナルツアーを利用するのもおすすめです。バンコク発の日帰りツアーが多く、ワット・プララームを含むアユタヤ遺跡を巡るプランがあります。
- ツアー料金:1,500~3,000バーツ程度(内容により異なる)
- 移動手段:バスやバン(ミニバス)を利用し、ガイド付きで観光スポットを巡る
ツアーに参加すれば、歴史の解説を聞きながら観光できるので、初めてアユタヤを訪れる人や、移動の手間を省きたい人におすすめです。ランチ付きや象乗り体験が含まれるプランもあり、内容によって料金が異なります。

ワット・プララームの見学方法

ワット・プララームは、アユタヤ遺跡公園内に位置するため、他の遺跡と合わせて訪れるのがおすすめです。観光には30分~1時間ほどを見ておくと、仏塔の美しい彫刻や水辺に映る幻想的な景色をじっくり楽しめます。
朝夕は光の加減で特に美しく、静かに観光できる時間帯です。遺跡内には舗装されていない道もあるため、歩きやすい靴で訪れると快適に散策できます。
ワット・プララーム観光に要する時間
ワット・プララームの観光には、およそ30分~1時間ほどかかります。中央の仏塔を眺めたり、細かい彫刻をじっくり観察するなら、40分以上を確保すると良いでしょう。写真撮影や、池に映る仏塔の姿を楽しむなら、1時間ほど滞在すると満足度が高まります。
また、ワット・プララームは比較的観光客が少ないため、ゆったりと過ごせるのも魅力です。他の遺跡と違って混雑しにくいため、静かに歴史を感じながら見学したい人にぴったりです。周辺にはワット・プラシーサンペットやワット・マハタートもあり、徒歩や自転車で簡単に移動できるので、遺跡巡りの一環として訪れるのがおすすめです。
入場料、開館時間
ワット・プララームの入場料は、外国人観光客は50バーツ(約200円)、タイ国民は無料です。アユタヤ遺跡の主要スポットは同様の料金設定になっており、まとめて見学する場合はお得な「遺跡セットチケット」(220バーツ)を購入するのも良いでしょう。
開館時間は 8:00~18:00 で、日中は暑くなるため、朝や夕方に訪れるのが快適です。特に、朝日や夕日が仏塔に差し込む時間帯は、幻想的な光景が広がり、写真撮影にもおすすめです。ただし、遺跡内には日陰が少ないため、日焼け対策として帽子やサングラスを持参し、水分補給をこまめに行うことをおすすめします。
ワット・プララーム観光のマナーや注意点3つ
ワット・プララームを訪れる際は、歴史的な遺跡であることを意識し、マナーを守って見学することが大切です。特に、服装や遺跡の扱い、静かに見学する姿勢が求められます。
また、遺跡内は舗装されていない場所も多いため、歩きやすい靴を選ぶのもポイントです。ここでは、観光時に注意したい3つのポイントを紹介します。
服装に気をつける
ワット・プララームを含むアユタヤの遺跡は、かつて王族や仏教徒が大切にしていた神聖な場所です。そのため、極端に露出の多い服装は避けるのがマナーです。具体的には、短すぎるショートパンツやノースリーブ、タンクトップはNGとされることが多いです。特に女性は、肩を隠せるショールや長めのスカート、ゆったりしたパンツを選ぶと安心です。
また、日中は日差しが強くなるため、帽子やサングラスを持参するのもおすすめです。ただし、寺院や仏塔の近くでは帽子を取るのが一般的なマナーとされています。快適に観光を楽しむために、動きやすく涼しい服装を選びつつ、適切な服装を心がけましょう。
遺跡を傷つけない
ワット・プララームは、600年以上の歴史を持つ貴重な遺跡です。壁や仏塔の表面には精巧な彫刻が施されていますが、触れることで劣化を早めてしまうため、むやみに手を触れないようにしましょう。また、遺跡の上に登る行為は厳しく禁止されており、罰金が科されることもあります。
さらに、落書きや石を持ち帰るといった行為は文化財保護の観点から絶対に避けるべきです。遺跡の価値を未来に残すためにも、観光客一人ひとりが責任を持って行動することが求められます。写真撮影は自由ですが、フラッシュを多用すると彫刻の劣化につながる可能性があるため、できるだけ自然光で撮影するようにしましょう。
静かに見学する
ワット・プララームは、観光地であると同時に、仏教徒にとっては神聖な場所でもあります。そのため、大声で話したり、騒いだりするのは避けるべきです。特に、仏塔の前では祈りを捧げる人もいるため、敬意を持って静かに見学することが大切です。
また、スピーカーを使って音楽を流したり、電話の通話をスピーカーモードで行うのもマナー違反となります。遺跡の静寂な雰囲気を壊さないように注意し、周囲の人々と調和を保ちながら観光を楽しみましょう。特に早朝や夕方は、静かに遺跡を楽しみたい人が多いため、落ち着いた態度で過ごすことを心がけましょう。
ワット・プララーム周辺の遺跡
アユタヤ歴史公園内にあるワット・プララーム周辺には、タイの黄金時代を物語る遺跡が点在している。この寺院は14世紀に建立され、巨大な仏塔(チェディ)が特徴的です。周囲には、アユタヤ王朝時代の王宮跡や格式高い寺院が残されており、当時の栄華を感じることができます。
中でも、ワット・プラシーサンペットやワット・マハタートは特に有名で、多くの観光客が訪れる歴史スポットとなっています。
ワット・プラシーサンペット
ワット・プラシーサンペットは、15世紀にアユタヤ王朝の王室寺院として建立された格式高い寺院です。王宮の敷地内にあり、王族専用の宗教行事が行われました。特に目を引くのは、中央に並ぶ3つの巨大な仏塔(チェディ)で、それぞれの塔には歴代の王の遺骨が納められています。
かつては巨大な黄金の仏像(高さ16メートル)が安置されていたが、1767年のビルマ軍の侵攻で破壊され、現在は基壇の一部が残っています。遺跡全体が整備されており、歴史の重みを感じながら散策することができます。

ワット・マハタート
ワット・マハタートは、アユタヤ王朝の初期に建立された仏教寺院で、王室と深い関わりを持つ宗教施設でした。最大の見どころは、木の根に取り込まれた仏頭で、その神秘的な姿は世界中の観光客を魅了します。
かつては高さ40メートルを超える大仏塔がそびえていたが、ビルマ軍の侵攻によって崩壊し、現在は基礎部分のみが残っており、それでも、多くの仏像や精巧な装飾が遺跡内に点在し、当時の壮大な建築技術を垣間見ることができます。朝夕の静かな時間帯に訪れると、より幻想的な雰囲気を味わえるでしょう。

ワット・ロカヤスタ
ワット・ロカヤスタは、アユタヤ歴史公園内にある巨大な涅槃仏(ねはんぶつ)で有名な寺院跡です。全長約42メートル、高さ約8メートルの仏像が横たわる姿は圧巻で、多くの観光客が訪れるフォトスポットとなっています。
この涅槃仏はレンガ造りで、かつては寺院の一部として存在していたが、1767年のビルマ軍による破壊で現在は仏像のみが残っています。仏像の顔は優しい微笑みをたたえ、足の裏には繊細な装飾が施されています。現在も地元の人々が花や線香を供え、祈りを捧げる姿が見られ、アユタヤの歴史と信仰の深さを感じられる場所です。

ワット・ラーチャブーラナ
ワット・ラーチャブーラナは、1424年にアユタヤ王朝のボーロマラーチャー2世によって建立された寺院で、壮大なクメール様式のプラーン(祠堂)が特徴的です。この寺院は、王位継承を巡る戦いで命を落とした王の兄弟を弔うために建てられたとされています。
高さ約35メートルの中央プラーンは細かな彫刻で装飾されており、内部にはかつて仏教壁画が描かれています。また、地下の仏塔内には宝物庫があり、かつて金や宝石、仏像などが発見されたことでも知られ、現在は遺跡の一部が公開されており、階段を上って内部を見学することができます。アユタヤの歴史を肌で感じながら、壮麗な建築美を楽しめるスポットです。
まとめ
ワット・プララームは、壮大なクメール様式の仏塔や美しい水辺の風景を楽しめる、アユタヤの中でも特に魅力的な遺跡の一つです。観光客が比較的少なく、静かな雰囲気の中で歴史を感じながら散策できるのも大きな魅力です。朝夕には仏塔が幻想的に輝き、特に池に映る風景は息をのむ美しさです。
訪れる際は、適切な服装を心がけ、遺跡を傷つけないよう注意しながら見学しましょう。バンコクからのアクセスも良好で、日帰り観光にもおすすめです。歴史のロマンと静寂に包まれたワット・プララームで、特別な時間を過ごしてみませんか?