アユタヤは、かつてタイの王都として栄えた歴史深い街であり、多くの寺院遺跡が残る世界遺産の都市です。その中でもワット・マハタートは、ビルマ軍の侵攻による破壊の跡が色濃く残る、特に有名な寺院遺跡の一つです。
仏頭が菩提樹の根に包まれた神秘的な光景や、崩れ落ちた仏塔群がかつての繁栄を物語ります。歴史とロマンを感じられるスポットとして、多くの観光客が訪れています。
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ワット・マハタート概要

バンコクから北へ約80km、アユタヤはタイの古都として多くの観光客を魅了する世界遺産の街です。その中心にあるワット・マハタートは、アユタヤ王朝時代(1350年〜1767年)の歴史を色濃く残す仏教寺院の遺跡です。
かつては王室の重要な寺院として栄え、仏教の聖遺物(マハタート)を祀る場でもありました。1767年、ビルマ軍による侵攻で破壊されましたが、その神秘的な雰囲気は今もなお多くの人を惹きつけています。
ワット・マハタートの観光ポイント

ワット・マハタートには、菩提樹の根に包まれた仏頭、崩れ落ちた壮大な仏塔群、戦争の傷跡を残す仏像の回廊など、見どころが豊富です。
歴史と神秘が交錯する遺跡の魅力を存分に感じることができます。
仏頭の絡まる菩提樹
ワット・マハタートの最も有名な見どころといえば、菩提樹の根に包まれる仏頭です。この仏頭はビルマ軍による破壊の際に地面に落ち、その後、長い年月をかけて菩提樹の根に絡み取られました。
今では樹木と一体化したような神秘的な姿となり、訪れる人々の注目を集めています。写真撮影の人気スポットですが、仏像よりも頭を低くして礼儀を持って接することが求められます。
崩れ落ちた仏塔群
かつてのワット・マハタートには高さ40メートルにも及ぶ仏塔(プラーン)がありましたが、長い年月と戦争による破壊によってその姿は大きく損なわれています。
しかし、崩れ落ちた仏塔やレンガ造りの柱の残骸が並ぶ光景は、かつての繁栄を物語る壮大な雰囲気を醸し出しています。特に、夕暮れ時には赤レンガが黄金色に染まり、幻想的な光景が広がります。
仏像の残る回廊
ワット・マハタートの境内には、多くの仏像が安置されていた回廊の跡が残っています。現在では頭部を失った仏像が並んでおり、戦争の傷跡を色濃く残す光景が広がります。
しかし、その静寂と荘厳な雰囲気は訪れる人々に深い感動を与え、過去の歴史に思いを馳せるきっかけとなります。特に、修復された仏像やレリーフの細かな装飾を見ると、かつての芸術性の高さを実感できます。
ワット・マハタート「首のない仏像」
タイ・アユタヤにあるワット・マハタートは、歴史と神秘に満ちた遺跡で有名です。特に「首のない仏像」や「木の根に埋まった仏頭」は、多くの観光客を惹きつける不思議な光景です。この異様な風景には、かつての歴史的背景と自然の奇跡が関係しています。ここではその理由を詳しく解説します。
なぜ仏像には首がないのか
ワット・マハタートに並ぶ仏像の多くが首を失っているのは、18世紀中頃のビルマ軍(現在のミャンマー)によるアユタヤ王朝侵攻が原因です。1767年、アユタヤが陥落した際、ビルマ軍は寺院や仏像を徹底的に破壊し、特に貴重な金や宝石が埋め込まれていた仏像の首部分を切り落として略奪しました。
当時、仏像の頭部は神聖な象徴とされていましたが、金属や宝石を求めた略奪者にとっては金銭的価値が優先されたのです。首のない仏像は、タイの歴史における痛ましい過去を物語っており、訪れる人々に当時の戦乱と信仰心の強さを伝えています。今では、この風景が歴史的教訓として残り、多くの観光客に深い印象を与えています。
なぜ仏頭は木に埋まったのか
ワット・マハタートで最も有名な光景の一つが、菩提樹の根に包まれるように埋まった仏頭です。この仏頭も当時の略奪で切り落とされたものの一つですが、なぜ木に埋まったのかにはいくつかの説があります。一般的な説では、略奪者が重い仏頭を持ち去れずに地面に放置した結果、数百年の時を経て成長した菩提樹の根が自然にその頭部を覆ったとされています。
木の根が仏頭を大切に抱え込むような姿は、自然の力と仏教の精神が融合した奇跡的な光景として、訪れる人々に深い感銘を与えます。現在、この仏頭は観光客や信者にとって神聖な存在であり、写真を撮る際には仏像よりも頭を低くするという敬意を示すルールがあることも特徴です。この奇跡的な景色は、歴史の痛みを癒す自然の優しさを象徴しています。
ワット・マハタート観光ベストシーズン

ワット・マハタートを訪れるのにおすすめな時期は、雨が少なく過ごしやすい11月から2月です。この時期は乾季にあたり、気温も比較的穏やかで快適に観光を楽しめます。一方で、観光客が多くなるシーズンでもあるため、混雑を避けたい場合は平日の午前中を狙うのがおすすめです。
また、観光客が少ない時期に訪れたい場合は、暑季(3月〜5月)や雨季(6月〜10月)の平日を選ぶと、ゆっくりと遺跡の雰囲気を堪能できます。
ベストシーズンは雨が少なく快適な11月〜2月
タイの乾季にあたる11月から2月は、ワット・マハタート観光のベストシーズンです。この時期は降水量が少なく、湿度も比較的低いため、快適に遺跡巡りを楽しむことができます。特に、朝晩は気温が20度前後まで下がるため、涼しく散策できるのが魅力です。日中は30度を超えることもありますが、乾燥しているため汗をかきにくく、観光しやすい気候となっています。
また、この時期はタイの祝日や年末年始の影響で観光客が増えるため、混雑しやすい点には注意が必要です。特に土日は国内外からの観光客でにぎわうため、ゆっくり見学したい場合は朝早く訪れるのがおすすめです。さらに、12月には「アユタヤ世界遺産祭り」が開催され、ライトアップや伝統舞踊などが楽しめるため、特別な雰囲気の中で遺跡を満喫できます。
観光客が少ない時期を狙うなら平日がおすすめ
ワット・マハタートは人気の観光地のため、週末や祝日は多くの人でにぎわいます。特に、タイ国内の祝日や年末年始は、現地の人々や外国人観光客が増え、遺跡内が混雑しやすくなります。混雑を避けて静かに遺跡を巡りたい場合は、平日を狙うのがおすすめです。
特に、午前中の早い時間帯(8時〜10時頃)は人が少なく、神秘的な雰囲気を存分に味わうことができます。また、雨季はスコールに注意が必要ですが、短時間で止むことが多いため、合間を見て観光するのも良いでしょう。
ワット・マハタートへの行き方

バンコクからアユタヤへは、鉄道、バス、バン(乗り合いミニバス)、タクシーなどの交通手段を利用できます。所要時間は約1〜2時間で、料金は50バーツ〜1,500バーツと手段によって異なります。
アユタヤ市内に到着した後、ワット・マハタートへは徒歩、自転車、バイクタクシー、トゥクトゥク、レンタカーなどを利用可能です。市中心部からは約1kmとアクセスが良く、さまざまな方法で訪れることができます。

交通機関を利用する
アユタヤ市中心部からワット・マハタートへは、トゥクトゥク、ソンテウ(乗り合いバス)、自転車、バス、タクシーなどの交通手段が利用できます。
トゥクトゥク:観光客に人気の移動手段で、市内の主要観光地から利用できます。ワット・マハタートまでは100〜150バーツほどで、交渉次第で割安になることもあります。複数人で乗るとコストを抑えられるのが魅力です。
ソンテウ(乗り合いバス):市内を走るソンテウは料金が10〜20バーツと安く、現地の人々も利用します。ただし、決まったルートで運行されるため、事前に確認が必要です。
自転車:レンタル料は1日50〜100バーツほど。市中心部からワット・マハタートまでは約10分で到着し、周辺の遺跡巡りにも便利です。
バス:アユタヤのバスターミナルから市内行きのバスを利用できますが、運行本数が少ないため、他の交通手段の方が便利です。
タクシー:アユタヤでは流しのタクシーが少ないため、ホテルや観光地で手配するのが一般的。市中心部からワット・マハタートまでは100〜150バーツが目安です。
バイクタクシー
アユタヤ市内では、手軽でスピーディーな移動手段としてバイクタクシーがよく利用されています。駅やバスターミナル、市内の主要観光スポットの近くで見つけることができ、短距離の移動に便利です。ワット・マハタートまでは、市中心部から約1kmの距離にあり、バイクタクシーならわずか5分ほどで到着します。
料金は30〜50バーツほどで、短時間で移動できるため、時間を有効に使いたい方におすすめです。バイクタクシーを利用する際は、運転手のベストに書かれた番号を確認し、料金を乗る前に交渉するのがポイントです。また、ヘルメットの貸し出しがある場合は着用し、安全面にも気を配りましょう。
レンタカー
アユタヤを自由に観光したい場合は、レンタカーを利用するのも一つの方法です。市内のレンタカー会社やホテルで車を借りることができ、料金は1日1,000〜1,500バーツほど。バンコクで借りてアユタヤに向かうことも可能で、家族やグループでの旅行に適しています。ワット・マハタートへは、市中心部から車で5〜10分ほどの距離で、駐車場も完備されています。
レンタカーを利用すれば、ワット・プラ・シー・サンペットやワット・ヤイ・チャイ・モンコンなど、他の遺跡へもスムーズにアクセスできるため、一日で複数のスポットを巡るのにも便利です。ただし、タイの交通ルールに慣れていない場合や、右側通行に不安がある場合は、運転には注意が必要です。特に観光地周辺は道が狭く、歩行者やトゥクトゥクが多いため、安全運転を心がけましょう。

オプショナルツアーを利用
アユタヤ市内発のオプショナルツアーを利用すれば、効率的にワット・マハタートを含む遺跡を巡ることができます。ツアーの料金は500〜1,500バーツ程度で、英語または日本語ガイド付きのプランもあります。ツアーのメリットは、移動の手間が省けることと、ガイドによる歴史や文化の詳しい解説を聞ける点です。
特に、アユタヤ遺跡群を効率的に巡る場合や、複数の寺院を訪れたい方には便利な選択肢となります。また、貸し切りのツアーや少人数グループツアーもあり、自分のペースで観光を楽しめるプランも用意されています。時間やスケジュールを気にせずにゆっくりと遺跡巡りをしたい方には、オプショナルツアーの利用がでおすすめす。

ワット・マハタートの見学方法

ワット・マハタートはアユタヤ遺跡群の中でも特に見どころの多い寺院遺跡で、仏頭の絡まる菩提樹や崩れた仏塔群、回廊の残る荘厳な雰囲気が特徴です。
敷地は広すぎず、徒歩で十分に見学できますが、暑さ対策として日傘や帽子を用意すると快適です。また、周辺にはカフェや飲食店もあり、休憩しながら観光するのもおすすめです。
ワット・マハタート観光に要する時間
ワット・マハタートの敷地は比較的コンパクトで、主な見どころを巡るだけなら30分〜1時間程度で見学できます。特に人気の仏頭の絡まる菩提樹は写真撮影の列ができることもあるため、余裕を持ったスケジュールがおすすめです。また、歴史や建築に興味がある方は、仏塔や回廊跡、細かな石造りの装飾などをじっくり観察しながら1時間半ほどかけて巡るのも良いでしょう。
ワット・マハタートはワット・ラーチャブラナなど他の遺跡と近いため、遺跡巡りのルートに組み込むのが一般的です。観光の合間に、遺跡周辺にあるカフェで休憩するのもおすすめです。特に、ワット・マハタート周辺には伝統的なタイのアイスクリームやフレッシュジュースを楽しめるカフェが点在しており、暑さ対策にもなります。
入場料、開館時間
ワット・マハタートの入場料は50バーツで、アユタヤ遺跡群の他の主要寺院(ワット・プラ・シー・サンペットやワット・ラーチャブラナなど)と共通のセットチケット(220バーツ)も販売されています。
このセットチケットを購入すれば、複数の遺跡をお得に巡ることができます。開館時間は8:00〜18:00で、朝早く訪れると涼しい気候の中で静かに見学できるのが魅力です。
ワット・マハタート観光のマナーや注意点3つ
ワット・マハタートを観光する際は、仏像に敬意を払うこと、適切な服装を心がけること、遺跡を傷つけないことが大切です。
特に仏頭の前では頭を低くし、ショートパンツやタンクトップは避けましょう。遺跡の保存にも配慮しながら見学を楽しんでください。
仏像に敬意を払う
ワット・マハタートには、仏頭の絡まる菩提樹や歴史ある仏像が点在しています。特に、仏頭の前では、仏像より頭を低くするのがマナーとされています。
写真撮影も可能ですが、仏像の上に座ったり、ふざけたポーズをとったりするのは避けましょう。タイでは仏教が重要な存在であり、敬意を持って観光することが大切です。
服装に注意する
ワット・マハタートは遺跡でありながら、タイの文化や歴史にとって神聖な場所でもあります。そのため、肌の露出が多い服装(ショートパンツやタンクトップなど)は避け、肩や膝を隠す服装を選ぶのが望ましいです。
観光中は動きやすい服装が理想的ですが、日差しが強いため、帽子やサングラスを持参すると快適に過ごせます。
遺跡を傷つけない
ワット・マハタートは何百年もの歴史を持つ貴重な遺跡です。石造りの仏塔や壁は崩れやすくなっているため、登ったり触れたりしないようにしましょう。
特に、古いレンガや石材に寄りかかったり、無理に登ろうとすると損傷の原因になります。また、遺跡内には柵やロープで立ち入りが制限されているエリアもあるため、ルールを守って見学しましょう。
ワット・マハタート周辺の遺跡
ワット・マハタートを訪れた際は、周辺に広がる歴史的な遺跡群もぜひ巡ってみてください。アユタヤ歴史公園内には、かつての王朝の繁栄を物語る壮大な寺院や仏塔が点在し、それぞれに異なる魅力があります。ここでは、ワット・マハタート近くのおすすめ遺跡4つをご紹介します。
ワット・ロカヤスタ
ワット・ロカヤスタは、長さ約42メートル、高さ約8メートルの巨大な寝釈迦仏で有名な寺院跡です。仏像はレンガと漆喰で作られており、その穏やかな表情は訪れる人々に平穏と安らぎを与えます。
観光客向けに仏像に金箔を貼る体験もでき、旅の思い出作りにぴったり。アクセスもワット・マハタートから車で約5分と近く、短時間で訪問できるのが魅力です。

ワット・プララーム
ワット・プララームは、壮麗なプラーン(クメール様式の塔)が特徴的な寺院遺跡で、かつては王族専用の儀式が行われていた場所です。塔の高さは約40メートルで、精巧な彫刻やレンガ造りの美しさが訪れる人を魅了します。
入場料は約50バーツで、敷地内をゆっくりと歩けば、当時の壮麗な王宮文化に思いを馳せることができます。

ワット・プラシー・サンペット
ワット・プラシー・サンペットは、アユタヤ王朝時代に王室の寺院として使用され、王族の葬儀や重要な儀式が行われた神聖な場所です。特に有名なのは、整然と並ぶ3基のチェディ(仏塔)で、それぞれがアユタヤ王の遺骨を納めています。
入場料は50バーツで、ワット・マハタートから徒歩約10分とアクセスも良好。家族での教育的な観光や、カップルでの歴史散策におすすめな場所です。

アユタヤ歴史公園
アユタヤ歴史公園は、アユタヤ王朝時代(1351〜1767年)の遺跡が集まるユネスコ世界遺産で、かつての王都の壮大さを感じられる場所です。広大な敷地内には寺院や宮殿跡が点在しており、自転車を借りて巡るのが人気です。特に夕暮れ時には、レンガ造りの遺跡が夕陽に照らされ、幻想的な光景が広がります。
公園内の遺跡の多くは自由に見学できますが、入場料は各遺跡で約50バーツ前後。歴史に触れながらゆっくりと散策できるため、カップルでのんびりとした時間を過ごしたり、家族で歴史探訪を楽しむのにおすすめです。
まとめ
ワット・マハタートは、アユタヤ遺跡群の中でも特に人気の観光スポットであり、歴史と神秘が感じられる場所です。仏頭の絡まる菩提樹や崩れた仏塔群、静寂に包まれた回廊など、見どころが多く、じっくりと散策するのにおすすめです。アクセス方法も豊富で、バンコクから鉄道やバスで気軽に訪れることができます。
遺跡の雰囲気を楽しむためには、快適な服装と暑さ対策を忘れずに。マナーを守りながら歴史を感じ、タイの文化に敬意を払って観光すれば、より充実した時間を過ごせるでしょう。ワット・マハタートを訪れ、アユタヤの壮大な歴史に触れてみてはいかがでしょうか。